2007年6月22日金曜日

ドイツ・ツアーwith上々颱風

mita

2007.5.31~6.4

昨年に引き続き、ドイツ・デュッセルドルフの「日本デー」に日本からバンドを呼びたいとお声が掛かった。
声を掛けてくれたのはやはり昨年に続いて当社出身の渡辺君。彼との協議で今回は上々颱風を推薦する事になり、決定。昨年同様ケルン日本文化会館も引き受けて下さり、2公演のツアーとなった。
メンバーの紅龍さん、西川聡子さん、白崎映美さん、猪野陽子さん、西村直樹さん、渡野辺マントさんの6名にマネージメントの有浦順二さん、平子英子さん、音響の伊藤英治さん、そして三田の10名。

5月31日:昨年のように臨時編成のメンバーでなく、またマネージメント・オフィスから2名来てくれているので、非常に気楽。今回はヴィデオマンに徹 する事に。全て昨年と同じルートで、昨年も迷ったフランクフルトからの電車の乗り換え以外は極々スムーズ。昨年と同じ文化会館の大西真さん、佐藤彩子さん のお出迎えも同じ。ホテルに到着後すぐに会場の下見に。日本語の達者なドイツ人レーゼさん、技術の上野さんも昨年と同じ。ケルン到着からのルートも会館も ホテルも懐かしい。
会場下見の後、早速夕食会に招いて頂く。唯一の変化は館長さんで、今年は上田浩二さんが就任されていた。夕食会では館長が相当な音楽・オーディオのマ ニアであることが判明。西村氏、紅龍氏、僕の三人がかりでも全く歯が立たない、恐れ入りました。特にイタリアンのお店という訳ではなかったようだけど、こ このピザはかなりの美味さでした。
6月1日:朝から会場入り。今回は音響の伊藤氏が同行してくれ、諸々予定通りとは行かないまでも、進行は順調。途中ブレイクを取り市内観光に。
19時スタートで昨年同様司会にはレーゼさん。音響は思ったよりバッチシ。照明は事前に特に注文を付けなかったものの、マネージャー有浦氏の当日の指示で、なかなか良い感じ。
ヴォーカルの映美さんはMCとして朝からリハの合間もズーっとドイツ語と格闘していたが、その成果あり、お喋りでも大うけ。途中会館の佐藤さんにも通 訳として登場願い、これまた大うけ。バンドのノリも絶好調で、最後はスタンディング・オベイション。後で聞いたら、この会館でこんなにスタンディングが あったのは初めてとのこと。
このツアーは上々颱風にとっても久しぶりの海外公演で、メンバーも今後の海外での展開に大いなる自信となったよう。これを機会に海外での公演が増えれば僕としても嬉しく、鼻が高いと思う。
軽い打ち上げの後、チャーター・バスにてデュッセルドルフへ。



6月2日:昨年と異なり、朝から最高の天気。昨年の台風のリベンジを上々颱風でとはこれいかに。
ライン川に沿った会場にはしっかりしたステージ、PA席が置かれ、各スタッフが忙しそうに動いている。模擬店も着々と準備を重ねている。ドイツ・ビールのテントや旗に混じり、たこ焼きや焼きソバのテントもあり、中には「SUSHI TAXI」と書かれた車もある。
リハーサル中にも続々と人が集まり、ノッテ踊りだす人や歓声をあげる人も。曲が終わる度に拍手が起こり、その度の紅龍さんの「リハだっちゅうのに!」というタイミングが絶妙。
ボチボチと日本のアニメのコスプレの連中が増えてくる。なかなかカッコイイ。
リハ後本番まで休憩。
一旦引き上げ昼食を取り再び会場に来るや、もう人、人、人。本当にお祭りだ。総領事館のお話によると、このお祭りには総勢100万人の人出があり、会場に留まっている人だけでも5000人は下らない。
今回はCenter TVというローカル・ケーブルTVの中継もあり、映美さんと紅龍さんのインタビューがあった。領事館の渡辺君は急遽通訳としてTV初出演。
本番は人を載せるのはお手の物の上々颱風は、ぐいぐいと客を乗せていく。途中のMCも通訳として上がって頂いた領事館の平さんのコーナーも大うけ。この人だかりの中ややスピーカーのパワーが不足したかなと感じるが、そんなことお構いなしに大盛り上がりでエンディング。
CDを売るスペースが無く、金網越しにスタッフが売っていたが、上々颱風70枚、西川聡子ソロ・アルバムが30枚あっという間に売り切れ。スタッフに 混じり大きな声を出して手伝ってくれていたのは、なんとケルン日本文化会館の大西さん。ケルン館長の上田さんも応援に駆け付けて下さっていた。
昨夜のケルンに引き続き大成功。


6月3日:昨年と同様、ドイツ料理店に総領事館のお招きで集合。昨年も同席していただいた田中健一郎領事は常時上機嫌。話が弾み昨年は見られなかった一面を発見。特に自家製納豆の作り方には力が入りっぱなし。こんな楽しい人とは知りませんでした。
6月4日:紅龍さんと西村さんはベルリンに、有浦さんと伊藤さんはフランクフルトへ、僕はベルギーへと個々に旅立ち、他のメンバーは帰国の途に。

今回は天候にも恵まれ、大成功のドイツ・ツアーとなりました。
ケルンの本文化会館の方々、デュッセルドルフ総領事館の方々、有難うございました。
今年も声を掛けてくれた渡辺君、いろいろと付き合ってもらったアンドレア渡辺夫人、有難う。
こうなったら毎年恒例で行けるといいな。。

2007年5月15日火曜日

Ub-Xに対する山下洋輔さんからのコメント

mita

昨年の「Ub-X」に続いてプロデュースを担当させてもらった橋本一子率いるトリオ、Ub-Xの第2弾「Vega」が4月18日リリースされた。
僕は時々自分の仕事であるCMの音楽プロデュース作品や個人的に書いた文章などをジャズ・ピアニスト山下洋輔さんに聴いて頂いたり読んで頂いたりして いる。それに対して山下さんからはいつも丁寧なご返事を頂き、的確な感想を述べて頂いていていて、僕はそのご返事が楽しみであり、また何よりもそれでいつ も勇気付けられている。
しかしながら、流石に同じジャズ・ピアニストのCDをいきなり送り付けて聴いてくださいという事にイマイチ抵抗があり、昨年のアルバムは送りそびれていた。
今回「Vega」が完成し、この2作で作り上げられた他の音楽とは全く異なるこのトリオのオリジナリティ溢れる音をやはり山下さんに一度聴いてもらいたいという気持ちが強くなり、昨年の「Ub-X」と共に思いきって送ることにした。
ゴールデンウィーク前に郵送したものの、山下さんはそのゴールデンウィークには新宿ピットインで自己のセッションで3日間、ビル・ラズウェルのセッ ションで1日入っていてお忙しいとき。なかなか2枚を聴いていただくのは大変で迷惑だったかなと案じていた。案の定、そのピットインセッションのある一日 に顔を出してみると、まだ聴けないでいるとのご返事。勿論、いや却って失礼しましたと、こちらも恐縮。
ところが、連休明けの数日後、早くも山下さんから下記のコメントを頂いた。

「一子さんのCD2枚聴きました。楽しみました。
いつからこのユニットで、このやり方なのか知りませんでしたが、
フリーフォームをベースにした演奏に
今の一子さんが特にはっきり主張されていると感じました。
独特の手法が発見されていて、とても気持ちよかったです。
独自のスタイルのピアノトリオに、ボーカルというホーン奏者が入っている
と言う風にも聴きました。
疾走感が爽快ですね。井野さんはまさに適役。
彼にとってもベストパフォーマ ンスの場ではないでしょうか。
ドラムの藤本さんはポムさんですか?そうだとすれば大成功の華麗なる転身ですね」

これに続いて、曲単位の詳細な感想や質問も更には曲の並びに関する感想まで含まれていて、山下さんがとりあえず大雑把に聴いただけでこのようなコメントを下さったわけではなく、かなりしっかりと聴き込んで頂いたことは明白。本当に有難くも勿体無いことこの上なしです。
僕もこのプロジェクトに関わってきた甲斐があったというもの。
山下さん、本当にいつも貴重なご意見有難うございます。