2011年2月10日木曜日

桜庵 蕎麦セッション vol.2

















2011.2.1 桜庵蕎麦セッションvol.2

昨年7月の「桜庵蕎麦セッション」が大好評で次なる開催が望まれていたが、今回第2回目を開催することができた。
今回のスペシャルゲストは、サックス奏者の坂田明さん、昨年に続いて参加の民謡の木津茂理さん、木津さんのCDにも参加してくれた箏の渡邊香澄さん、そして沖縄民謡の大島保克さん、更に歌手で蕎麦マニアのやはり2度目の参加の高遠彩子さん、そしてスペシャ・スペシャルゲストに、映画監督の大林宣彦さんと奥様恭子さん、娘さんの千茱萸(チグミ)さんとご主人で漫画家の森泉岳士さん。
それに東京での尾道サポータの会の会長を務める日谷潔さんと私の妻の久美子の総勢12名。
迎える桜庵組は、尾道の高校の同級生である庵主新田郷くんと奥様の啓子さん、啓子さんのお姉さまの悦子さん、蕎麦指南役の海野哲寿さんと奥様のゆうこさん、助っ人の又木祐治さん。そして本屋敷オーナーの啓子さんのお父様。

昨年初めてこの蕎麦セッションを開催した経緯は本COLUMの2010年8月に記載しているのでご参照願いたいが、今回は「次は是非坂田さんにも食べてもらいたいね。」という話しから始まった。
その頃たまたま日谷氏を通じて大林千茱萸さんと知り合い、下高井戸の蕎麦屋でご一緒した際にこの蕎麦セッションにお誘いしたところ、
「坂田さんがいらっしゃるなら父も誘ってみようかな。坂田さんに会いたがっていたので。」
というお話し。
それは是非是非、ということで監督も参加していただけることになった。

庵主の提案で、今回は地方地方の銘柄の蕎麦の食べ比べを中心にしたいということとなった。
まずは前菜としてお姉さまの悦子さん手製のお料理から。
花ワサビ、うどのおひたし、コゴミなど山菜の天ぷらや和え物など次々と嬉しいメニューが続く。
ひとつひとつが、このあといただく5種の蕎麦の邪魔をしないように配慮された繊細なものばかり。しかも食材の殆どが庵主の畑で採れたもの。
最高に美味しいサイド・メニューでした。

その間に、蕎麦刺しがなかなか良い食感で、今日も期待できるという予感が走る。
そして桜庵初の蕎麦寿し。
一夜漬けで勉強したとの話だったが、なかなかのお味。
ほんのりした甘さが蕎麦の新たな楽しみを作ってくれた。
隣の大林監督は、もう「うまい、うまい。」の連発。

この頃になると初顔合わせの人も含めて、みなさんすっかり打ち解けて、大林・坂田の大御所二人の駄洒落が出まくる。

まずはビールで乾杯し、日本酒、焼酎、ワインとお酒も弾む。
大林監督、日谷氏、そして庵主も僕も尾道出身。そして坂田さんの奥様も尾道ということで、同じ広島の竹原産の「小笹屋 竹鶴 大和雄町」がまた良い感じ。
蕎麦不毛の尾道に最近出来た本格的蕎麦屋さん推薦のお酒ということで、義姉からもらいすっかりファンになったのだが、ここでも大好評。

そうしていよいよ本日のメイン・テーマ5種の蕎麦の食べ比べに突入。
まずは、「茨城の常陸秋そば」。
数日前に新田家に立ち寄ったときにお土産でくれたのと同じだが、この蕎麦は本当に美味い。味も香りも強く深く僕好み。
そして「北海道/きたわせ」、「福島/会津のかおり」、「福井/越前ざいらい」、「山形/出羽かおり」と続き、それぞれの味わいにやられっぱなし。これまで経験したことがない蕎麦三昧に興奮せざるを得ない。
それぞれの蕎麦の薀蓄は、蕎麦オタクの高遠さんのブログ、
http://ayakotakato.seesaa.net/article/184323471.html
に素晴らしい表現で掲載されているので、そちらに譲った方が賢明でしょう。

最後は、蕎麦がきに餡子をのせたスイーツ。
これまたお初のメニューで、この蕎麦づくしを締めるには最適。
なんという幸せ。














お腹もすっかり満たされた頃、大島さんが手元にあった三味線を奏ではじめると、茂理ちゃんと香澄ちゃんが太鼓や箏を準備し始めた。
まずは茂理ちゃんの唄と太鼓と香澄ちゃんの箏の演奏で我がレーベルからのアルバム『Japanese Voice』から「さらさら」と「竹田の子守唄」2曲。
次は大島さんが沖縄民謡を披露してくれ、更に木津、渡邊が加わり大島さんオリジナルのヒット曲「流星」。
今日は楽器のない坂田さんは、やはり広島民謡「音頭の舟歌」で渾身の熱唱。
2008年に坂田さん、木津さん、それに前回参加の澤田勝秋師匠とでヨーロッパをツアーしたときにもステージで披露し、正調の民謡ではない坂田流の民謡に心を打たれたものだ。
そして再び木津、渡邊、大島の三人に高遠が加わり「コキリコ節」。
味覚に続いて聴覚も贅沢三昧です。

最後はお決まり、「東京花笠音頭」で全員立ち上がり踊りまくる。
そしてアンコールに木津さんと高遠さんのそれぞれの独唱で大締め。
みなさん大満足の笑顔、笑顔でした。

もうこうなったら、この蕎麦セッションは続けていくしかないだろう。
桜庵の方々、宜しくです。

2011.2.9 三田