2007年5月15日火曜日

Ub-Xに対する山下洋輔さんからのコメント

mita

昨年の「Ub-X」に続いてプロデュースを担当させてもらった橋本一子率いるトリオ、Ub-Xの第2弾「Vega」が4月18日リリースされた。
僕は時々自分の仕事であるCMの音楽プロデュース作品や個人的に書いた文章などをジャズ・ピアニスト山下洋輔さんに聴いて頂いたり読んで頂いたりして いる。それに対して山下さんからはいつも丁寧なご返事を頂き、的確な感想を述べて頂いていていて、僕はそのご返事が楽しみであり、また何よりもそれでいつ も勇気付けられている。
しかしながら、流石に同じジャズ・ピアニストのCDをいきなり送り付けて聴いてくださいという事にイマイチ抵抗があり、昨年のアルバムは送りそびれていた。
今回「Vega」が完成し、この2作で作り上げられた他の音楽とは全く異なるこのトリオのオリジナリティ溢れる音をやはり山下さんに一度聴いてもらいたいという気持ちが強くなり、昨年の「Ub-X」と共に思いきって送ることにした。
ゴールデンウィーク前に郵送したものの、山下さんはそのゴールデンウィークには新宿ピットインで自己のセッションで3日間、ビル・ラズウェルのセッ ションで1日入っていてお忙しいとき。なかなか2枚を聴いていただくのは大変で迷惑だったかなと案じていた。案の定、そのピットインセッションのある一日 に顔を出してみると、まだ聴けないでいるとのご返事。勿論、いや却って失礼しましたと、こちらも恐縮。
ところが、連休明けの数日後、早くも山下さんから下記のコメントを頂いた。

「一子さんのCD2枚聴きました。楽しみました。
いつからこのユニットで、このやり方なのか知りませんでしたが、
フリーフォームをベースにした演奏に
今の一子さんが特にはっきり主張されていると感じました。
独特の手法が発見されていて、とても気持ちよかったです。
独自のスタイルのピアノトリオに、ボーカルというホーン奏者が入っている
と言う風にも聴きました。
疾走感が爽快ですね。井野さんはまさに適役。
彼にとってもベストパフォーマ ンスの場ではないでしょうか。
ドラムの藤本さんはポムさんですか?そうだとすれば大成功の華麗なる転身ですね」

これに続いて、曲単位の詳細な感想や質問も更には曲の並びに関する感想まで含まれていて、山下さんがとりあえず大雑把に聴いただけでこのようなコメントを下さったわけではなく、かなりしっかりと聴き込んで頂いたことは明白。本当に有難くも勿体無いことこの上なしです。
僕もこのプロジェクトに関わってきた甲斐があったというもの。
山下さん、本当にいつも貴重なご意見有難うございます。